America’s Got Talent(アメリカズ・ゴット・タレント)に出場
彼女の歌を聞いた瞬間、!ってなった。この歌のクオリティを期待してなかったと言ったら失礼になるかもしれないけど、もし彼女が飛行機事故にあってなくてもプロになれたレベル。心に響く。1:40頃から歌が始まる。
エド・シーランのThinking Out Loudという曲で、
I just wanna tell you I am
(私がどうあるかただ伝えたい)
という歌詞のところを
I just wanna show you I am
(私がどうあるかただ見せたい)
と変えて歌った後あたりから拍手や歓声がすごくなった。
自分の見た目を受け入れて、ただ自分自身がどうあるかを見せたいというメッセージにみんなが感動をもらったんだね。
飛行機事故
ケチさんが被害にあった飛行機事故がウィキの載ってたから引用するよ。
ソソリソ航空1145便墜落事故
2005年12月10日にナイジェリアの都市アブジャとポートハーコートを結ぶ便であるソソリソ航空1145便が、現地時間14時08分(協定世界時13時08分)頃にポートハーコート国際空港の滑走路に墜落した。
1145便は、13時26分にアブジャを離陸し、13時41分にATCから滑走路21へのアプローチを許可された。14時04分にはグライドスロープに乗り、滑走路21から8NMの地点に到達、管制塔は1145便のパイロットに天候が悪化して雷雨となり滑走路が濡れて滑りやすくなっていることを連絡した。1145便はアプローチを続けたが視界が悪化し滑走路が見えなくなった。しかしパイロットは決心高度を割り込んで降下を続け、高度204フィートで着陸復行を開始した。しかし機体はそのまま降下して14時08分に滑走路21の端から540m先、滑走路21と誘導路の間に接地した。機体はそのまま60m進んでコンクリート製の排水溝に後部が衝突し、No.2エンジンと後部のエアステアが分離。残りの機体はさらに790m進んで停止し機体は炎上した。
墜落の直後に、6人の生存者が救出され病院に運ばれたが、そのうち4人が治療中に死亡し、残りの2人の生存者は南アフリカへの帰路についた。乗客としてアブジャ近郊の高等学校であるロヨラ・イエズス学院の生徒61人が乗り合わせ、そのうち1人の生徒が救出された。
引用:Wikipedia
最後に記述されてる「1人の生徒」というのがケチさんのこと。乗客乗員合わせて110名が乗っていて2名のみが助かってそのうちの一人。すごいね、怖かっただろうね。自分以外の学校の友達が全員亡くなったって想像したら、すごい恐ろしい。
事故当時のケチさんの記憶
事故の日、いつもと変わらない普通の日でクリスマスで私を含む61人の生徒は地元に帰ろうとしていた。これは毎年のこと。わたしたちは飛行機に乗ってフライトもいつも通り。15分か20分くらい乱気流に飲み込まれたみたいに激しくなって、すべてが最悪になっていった。飛行機の中がカオスだったことを覚えてる。その瞬間の記憶は、今起こってるその現実にただショックを受けてた。切り離されたみたいに何が起こっているのかを「これは現実なんだ」と思って体の外から見てるみたいだった。過去に経験したことないほどのショックで真っ暗になった。ある覚えてるシーンは、友達の手を握って祈るべきだって考えてたこと。金属が壊れていく変な音を立ててたことはハッキリ覚えてる。たぶん機体がちぎれた瞬間だったのかも。この記憶は5週間後に病院で目覚める直前の記憶。昏睡状態になった。
同じ学校の生徒は自分以外生き残っていないことを知る
自分以外の生徒全員が亡くなったのを知ったのは事故から4カ月後のこと。とても落ち込んで悲しくなって、それを聞いてからの2日間は人生で最悪の2日間だった。亡くなった友だちみんなの顔が頭に浮かんできて、みんなの家族がどう感じているのかとかを考え続けた。自分の子供を失うなんて・・・悲しくて泣き続けた。なんで私が生き残って彼らが亡くなったのかを聞いたりはしなかった。家族にとってそれは負のスパイラルになると思ったから。みんなが亡くなったことをお母さんが私に言おうとしてくれてたみたいだけど教えてくれたのはお祖母ちゃんだった。お祖母ちゃんは私が落ち込まないような言葉で話してくれた。この事故で私にコントロールできたことは何もなかったと言ってくれた。わたしたちにはなぜこんなことが起こったか分からないし、神様はなぜこんなことが起きることを許したのか分からない。でも私たちは神様の素晴らしい計画があると信じないといけない。悲しみに包まれて生きるより、そう考えて生きたいと思った。そう生きることで亡くなったみんなの家族は誇りに思えるし、最悪のことから抜け出してみんなの家族をポジティブにしてあげられると思った。
悲しみに暮れ続けることは、亡くなった60人の生徒たちを侮辱していることになると感じたそう。ケチさんは亡くなった生徒たちのことを「60人の天使たち」と呼ぶことにした。
America’s Got Talent(アメリカズ・ゴット・タレント)決勝
決勝でケチさんが歌う直前に、同じ飛行機事故で2人の子供を亡くしたお母さんからのメッセージがある。「ケチ、私はあなたのことを生きているジョン・レノンだと呼ぶわ。あなたは奇跡を起こしてる。あれから12年が経とうとしてるけど、今日あたなはAmerica’s Got Talentのファイナリスト。(と、嬉しそうに言う)すごいわ。私はあなたをとても誇りに思う。あなたは希望のシンボルになる。60人の天使たちがあなたを応援しているわ。わたしもあなたを応援してる。アイラブユー、ケチ。ベストを尽くせるように祈ってるわ」
ファイナルで選んだ曲は「Conqueror(克服者)」という曲。
※余談:「conqueror」という単語は辞書には「征服者、戦勝者、征服王」と記述されているけど、「conquer」という動詞に「克服する、乗り越える」という意味があり、「~する人」の意味を表すorを最後に付けてConquerorとなり、実際にこの曲の歌詞も「何かを克服する人」のことを歌っていて、辞書にある「征服者、戦勝者、征服王」の意味では、この場合は用いられてはいない。
Kechi Okwuchi ケチ・オクウチ
Kechi Okwuchi ケチ・オクウチ
1989年10月29日生まれ。現在28歳。(2018年5月現在)
ナイジェリア出身。アメリカ合衆国テキサス州ヒューストン在住。